MAのあるべき運用体制とは?

MAは営業部主導で運用すべき

MAの認知度が上がるに従って、MAに興味を持つ企業や導入を考える企業も増えています。多くの場合、MAの検討・導入を主管しているのは、マーケティング部門です。マーケティング部の担当者が各種MAツールを比較し、マーケティング部の部長が同席した打ち合わせでそれぞれの話を聞き、導入を決める。
こういったケースが多いのですが、私はこの体制のままではいけないと思っています。

私が思う、MA運用体制のあるべき姿は、プロジェクトオーナーないしは責任者を社長や役員が務める体制です。中小企業なら必ずこの体制にすべきだと思います。大企業になると、さすがにそれは難しくなりますが、それでも事業部長クラスの方が舵取りすべきだと思います。そして、部署でいうと「営業部」こそが、MAの導入から運用までを主導した方が絶対にうまくいくのです。

MAは、営業部に大いに関係する「見込み客管理」ツールである

営業部が舵取りすべき理由は後で述べるとして、実際のところこうした体制ができていないのには原因があります。一番の原因は、そもそも「MA」というツールの名称ではないでしょうか。「マーケティングオートメーション」という名前を聞くと、営業部は「自分には関係のないものだ」と思ってしまいます。なぜなら、「マーケティング」も「オートメーション」も、フィールドセールスの普段の活動とは結びつかない言葉に思えるからです。「名刺管理ツール」という名称の方が、フィールドセールスにはよっぽど自分事に聞こえますよね。けれど、MAは実際のところ見込み客を管理するツール。フィールドセールスで「見込み客管理はあなたの仕事ですか?」と聞かれて「はい」と答えない方はいないのではないのでしょうか。
皮肉なことに、ツールの呼び方が原因でマーケティング部主導の運用になってしまい、うまくいっていないのです。

MAを運用するには、営業部を巻き込んだ動きが必須です。たとえば、MAの運用を始める際に過去の名刺をMAに取りもうとすると、フィールドセールスから名刺を集めることが必要になります。また、MAの中で検討度合いが高い見込み客を発見したときに、アポを設定する際は、情報を連携してフィールドセールスに協力を仰がなければいけません。こうした場合に、プロジェクトオーナーの舵取り力と影響力が問われます。
たとえば、営業を経験した役員層がプロジェクトオーナーを務めてフィールドセールスに協力を要請した場合、協力体制が築きやすいことはなんとなく想像が付くと思います。一方で、マーケティング部の部長がプロジェクトオーナーとなり呼びかけても、なかなか協力的なムードにならないのではないでしょうか。なぜなら、マーケティング部では本来ブランディングや商品開発を目的とした業務を主としており、元から営業部との間に接点の無い組織(溝のある組織)が多いからです。

MAを運用するインサイドセールスのメンバーも営業部に置くべき

MA運用を成功させるためにも、本来は経営者や役員層がプロジェクトオーナーとなり、営業部主導で運用すべきだと思います。そして、MAを主に運用するインサイドセールスも、営業部のメンバーとして置くことが理想でしょう。

インサイドセールスは、見込み客のステータス管理を行い、動きのあった見込み客を見つけて電話で接点を持ち、追客する役割を担います。見込み客はMAツール内で勝手に育成されるものではないので、インサイドセールスの存在はMAとセットで絶対に必要です。

こうしてインサイドセールスの必要性を説くと、「インサイドセールスに人数を割ける余裕が無い」と言われることがあります。けれど、よく考えてみてください。インサイドセールスがしていることは見込み客の管理であり、効率良く検討度の高い見込み顧客を見つける仕事です。これって、普段フィールドセールスが行っている活動ですよね。

MAがフィールドセールスの営業活動を効率化してくれる

「新規リードが無い」からとひたすらテレアポを行う。あるいは、上司に「◯ヶ月前に商談したお客様の状況を聞いておけ」とお尻を叩かれて、なんとなく電話をして話が膨らまない、、、といったことに工数を掛けている営業マンは多いのではないでしょうか。
MAで見込み客管理ができていれば、資料のダウンロード状況、メールの開封・クリック状況、webトラッキング状況がわかるので、相手の検討度合いが高まったタイミングや、相手が自社に興味を持っているタイミングで電話を掛けることができます。また、資料がダウンロードされた後やメルマガを送った後であれば、「先ほど資料をダウンロードいただいたようですが」や「昨日お送りしたメルマガはご覧いただけましたか?」などをフックに電話で話すことができるのです。

つまり、MAはこれまでフィールドセールスが行ってきた非効率な営業活動を限りなく効率的にしてくれるツールです。このように話すと、既存の営業マンの中から数名をインサイドセールス専任に回す意味があると思ってもらえるかもしれません。最高の理想形は、フィールドセールスが全員インサイドセールスを兼ねる形で、MAを活用して見込み客管理を行うことです。

プレゼンより、クロージングより、何より大事な見込み客の発掘。
それを容易に実現してくれるのがMAなのです。
売上や営業活動に一番関係のある活動だからこそ、幹部が指揮を執り、営業部が主体となって運用してください。

カテゴリーMA