インサイドセールス部隊における人選のポイント

見込み客はMAツール内で勝手に育成されるものではありません。

だからこそ、MA運用を成功させるためには、見込み客のステータス管理と、見込み客の追客を行う、インサイドセールス部隊を置くことが必須です。では、どのようにインサイドセールス部隊を構築すればいいのでしょうか。

インサイドセールス部隊に必要な3つの役割

まず、前提としてMAを運用するインサイドセールス部隊には3通りの役割を果たすメンバーが必要になります。

・プロジェクトオーナー…MAの設計、インサイドセールスのオペレーション方法やKPIを考え、インサイドセールス部隊を統括する人
・オペレーター…MAで動きのあった見込み客に電話をして、見込み客が希望すればアポイントを取り、アポイントには時期尚早であれば継続して追客をするオペレーター
・MA運用支援…設計に従って、MAの設定作業を行うメンバー

それぞれ、こういった役割を果たすのが理想です。

・ プロジェクトオーナー:社長、役員、事業部長(営業経験があったり、営業部から信頼を得ている方が理想)
※MA運用開始時に、フィールドセールスから見込み客の名刺を集めたり、確度が高まった見込み客をアポイントに繋ぐ際にフィールドセールスへ情報を連携・協力したりするなど、営業部との恊働が多いため。
・ オペレーター:インサイドセールス経験者が社内にいれば異動させる、余裕があれば経験者を採用することが理想だが、フィールドセールスのメンバーを配置してもよい。1〜2名を置く場合が多いが、会社の規模が大きければさらに増える。
・MA運用支援:営業事務等のバックオフィスあるいは外部委託

オペレーターに求められるのは〝ただただ聞く〟スキル

プロジェクトオーナーの人選はもちろんですが、オペレーターを誰に任せるかということが重要になってきます。というのも多くの企業において、インサイドセールス部隊の立ち上げ当初は、フィールドセールスからメンバーを数名抜擢してインサイドセールスに置くことになるからです。

気合いの入っている企業ほど、「優秀なフィールドセールスをインサイドセールスに置いてみよう!」となりがちです。しかし、これでは失敗するでしょう。なぜなら、フィールドセールスとインサイドセールスに求められる資質とスキルは真逆と言えるからです。

インサイドセールスは、一言で言うと「聞く」ことが求められる役割です。基本姿勢は、見込み客の課題解決に役立てないかという奉仕の精神です。見込み客と電話して、見込み客が今何に困っているのか、困り具合や検討度はどれほどなのか、何につまずいて検討が止まってしまっているのかなどをヒアリングします。一方的な都合でアポイントは打診しません。

一方で、フィールドセールスは「話し、魅せる」ことが求められるのではないでしょうか。「営業マンも聞くことが大事だ!」という意見や、そういった意見の書かれた書籍などもあります。けれど、そこでの「聞く」は、商品やサービスを売るためや、自らのプレゼンの機会に備えるため。つまり自分が話すための「前置きの聞く」だと言えます。プレゼンもPRもせず、まずは聞くことに徹するインサイドセールスのそれとは少し異なるのです。

インサイドセールス部隊のオペレーターに求めたい特性

インサイドセールスには、下記のようなスキル・資質・特性のあるフィールドセールスのメンバーを置くことが理想といえます。

■プレゼン力よりヒアリング力

インサイドセールスは、顧客から、困りごとや課題感をいかに相談してもらうかが大事になります。そのため自分が話したいことを話すのではなく、相手に興味関心を示し、感情移入し、心から耳を傾け、顧客の声を聞ける人が活躍できます。

■個人主義よりチーム主義

フィールドセールスにおいては、誰が契約を獲ったかが重要視されがちですが、インサイドセールスは誰が対応しても、均一なレベルが求められます。個人の数字よりも、チーム全体の助け合いや思いやりが持てる人に向いています。

■コツコツ、短距離走より長距離走

顧客との継続的な関係性構築が大事です。毎日コツコツ、波が無く、一見すると地味な仕事でも顧客との会話を楽しみながら積み重ねていける特質を持っている人が求められます。

とはいえ、「インサイドセールスを担ってね」と託されたメンバーは、最初は戸惑うことでしょう。たとえば、これまでは用件を確認したりアポ取りをするために掛けて、2〜3分で済んでいた電話で10分以上話すことも。戸惑うはずです。
そんな中でまず意識しておきたいのは、電話で自らアポイントの取り付けや商品・サービスのPRなど営業トークに誘導してしまわないこと。根気強く、真摯に見込み客の悩みを聞くことで、信頼してもらい、商品・サービスに興味を持ってもらって質問をもらう、という流れにできるのが理想です。活動をする中で、「見込み客の役に立てることが何よりうれしい」という気持ちが生まれるような適任の方を、インサイドセールスのオペレーターにアサインしたいものです。